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進撃の巨人・ジョジョをメインに、漫画やアニメの真面目な考察から萌え語りまで
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漫画版 『レ・ミゼラブル』第2巻
2014年04月16日 (水) | 編集 |
新井隆広先生によるレ・ミゼラブルのコミカライズ『LES MISERABLES』単行本第2巻について語ります。
レミゼ2巻
ゲッサンにて連載中で、2巻は4/11に発売されました!
待ってました、という感じです。

1巻で完全に魅了された本作ですが、2巻も非常に読み応えのある内容でした。
表紙にいるジャヴェルさん、私の好きなキャラクターです。新井先生がツイッターでボツになった方のデザイン(ボツヴェルさん)も載せてましたね。

私自身はゲッサンで毎月ストーリーを追っていたのですが、まとめてじっくり読むとまた味わい深かったです。
1話1話がボリュームたっぷりで、「新井先生こんなに描いてて大丈夫なの!?」と心配になったりします笑

そんなわけで、またあれこれ書いていきます。1巻の感想のときと同じような形式です。誰か私に語彙力を恵んでくれ!
原作の方にも触れながら書いているので漫画版しか読んでない方には今後のネタバレがあるかもしれません。ご注意ください。
あと、無駄に長いです。

では追記からどうぞ。
2巻の内容としては、
①ファンティーヌが男に捨てられる→コゼットをテナルディエ夫妻に預ける
②マドレーヌさんがモントルイユ・スュール・メールで成功する→ジャヴェルに目をつけられる
③ファンティーヌがひたすら転落する
④ファンティーヌの身柄をめぐってマドレーヌさんとジャヴェルが対峙する
という流れですね。
これまた気になるところで終わっています。
一般的な漫画のように出来事の連続ではなく、マドレーヌさんが市長になるまでや彼の日常、ファンティーヌが転落していく様子などの間に、テナルディエと出会ったりフォーシュルヴァンの荷馬車の件があったりという具合で、タイムスパンが長かったり短かったりします。

巻頭はカラーです。幼き日のファンティーヌが名前をもらうところ。
新井先生の作品はダレンとレミゼしか知らないのですが、ダレンの頃と比べると線が細くなりましたね。
子供の口元とか、さらっと描いてある感じがします。

■ストーリーの感想
まずはざっくりと内容の感想をば。

・ファンティーヌ可愛い。金髪に白い歯。女友達と華やかに遊んで暮らしてます。
・トロミエスのひょうきんな感じがうっとうしくも原作通りで、この男のどこが良かったのかと思ってしまう
・23歳で年増!?当時はそんなもんなのか
・どうして会ったばかりの人に子供預けるかなあ。しかも、いかにも悪人顔の・・・・・・
・マドレーヌさん、こぎれいで格好いい。生まれ変わったジャン・ヴァルジャンです。
・マドレーヌさんが、荷馬車の下敷きになったフォーシュルヴァンを助けるシーン。ジャヴェルの誘導的な言葉がつらい
・パンが大きい
・テナルディエが理由をつけて仕送り額を引き上げてきますが、これくらい払えるならコゼットの旅費や生活費なんて余裕なのでは?引き取ればいいのになー。
・髪に続いて真珠のような歯を。ファンティーヌ、まさにミゼラブルです
・マドレーヌさんがファンティーヌを釈放しろと言ったとき、ジャヴェルが呆然とするコマ。クラ・・・、って書いてあるけど、その真意がいまいち分からなかった(原作読んで納得)

とにかく、ファンティーヌの頭の悪さにもどかしさを感じました。時代が時代ですが、学がないのは罪ですね・・・・・・。可愛いだけじゃ食ってけないのよ!

ユゴ-の原作を最初読んだとき、著者が言うまで「マドレーヌさん=ジャン・ヴァルジャン」だと気づかなかったという頭の悪さを露呈しました。
漫画版だとさすがに顔で分かりますね笑。
荒っぽい表情だったジャン・ヴァルジャンが、マドレーヌさんへと変わって、中身も穏やかになりました。
事業に成功し、人柄もよく、町のみんなに好かれています。

そんな平穏な暮らしをジャヴェルが壊してしまうわけですが、彼、必ずしも悪人ではないんですよね。己の信ずる法とか正義に人一倍忠実なだけであって。
上で「真意がわからなかった」と書いたコマですが、刑事法の判事でもある市長が売春婦によって冒涜されたこと、しかも市長本人がそれを赦したことが、ジャヴェルの理解の範疇を超えていたからあんな顔をしたのですね。
単純な善悪の対立ではないからこそ、この2人の関係は面白い。


続いて「これは」と思った描写を上げていきます。

●火事に飛びこんで子供を助けたジャンが、通行証を見せようとして、それが燃えてしまったことに気づくシーン
通行証は彼が囚人であったことを示す、実に忌まわしい身分証です。このせいで、1巻の彼は行く先々で邪険に扱われました。
このシーン、原作では、周りの人が彼を褒め称え通行証など見ようとしなかった、となっていたと思います。
それが燃えてしまったとするによって、周りの人が通行証を気にしなかったことがスムーズな流れで分かるとともに、ジャンが過去を断ち切ったことがより効果的に表現されています。
マドレーヌさんとして、完全に新しい人生を歩み出すことになるのです。

●テナルディエを蛇、ジャヴェルを猟犬として表現したところ
動物による比喩は、1巻でも使われていて、囚人ジャンが獰猛なライオンになっていました。
狡猾でどこまでも悪人なテナルディエは蛇。声が聞こえて家の方を見たら、とぐろを巻いた蛇がいるわけですが、どんな人が立っているのだろうと期待した私からすると蛇がいたのは驚きでした。で、実際の彼の姿もまた醜く、一癖も二癖もありそうな男で、ファンティーヌの暗い未来が想像されます。

ジャヴェルに関しては、原作だと

「狼の一腹の子の中には決って犬が一匹いて、それは母狼に殺される、さもないとこの犬が大きくなって他の狼の子を食べてしまう(中略)狼の子である犬に、人間の顔をつけると、ジャヴェールになるだろう」(新潮文庫 佐藤朔 訳)

と書かれています。
忠実、忠誠といったら犬をイメージしますし、ジャンにとってもまさしく猟犬であるわけですから、この表現はぴったりです。

●マドレーヌさんが、荷馬車の下敷きになったフォーシュルヴァンを助ける一連のシーン
レミゼの中で私の好きな場面で、1巻の時点から非常に期待していたシーンでした。
ジャヴェルが何気ない風に揺さぶりをかけ、マドレーヌさんが過去を思い出して動揺しながらも、フォーシュルヴァンを救う決意をし、微笑む。
目線のやりとりが一つ一つ丁寧で、とてもドラマチックです。ここはぜひとも漫画を読んでもらいたいですね。
ジャヴェルの台詞がまたえぐるようで、こっちまで苦しいです。
逆光のジャヴェルも良い。
マドレーヌさんの中で、過去の暗いものが頭をもたげますが、それでもフォーシュルヴァン(しかも自分を貶めようとしていた)を助ける――間違いなく、彼はミリエル司教が救うに値した人間になれています。

●ファンティーヌが鏡の中に、過去の輝かしい自分を見るシーン
ファンティーヌは1人で故郷に戻ったあと、コゼットを思いながら働いています。
そんな生活で、髪の手入れをしたり、鏡に映る美しい自分を見ることは、数少ない楽しみだったと原作にありました。
原作だと、歯を売ってしまったあと、鏡を窓から投げ捨てます。
漫画では過去の幸せで美しい自分が語りかけてくることにより、一層哀れに描かれています。
そしてその対話によって、ファンティーヌは市長マドレーヌを恨むようになる、という流れ。
制約あるページ数で、必要な伏線をきちんと盛り込み、かつペースが悪くならないように描いている新井先生の漫画力に感心するばかりです。


■印象に残った表情
1巻ではジャン・ヴァルジャンが激しい憎悪や怒りの感情を見せましたが、2巻の綺麗ジャンは基本的に穏やかな表情でした。
ファンティーヌの無垢な表情が悲しみや絶望に変わっていくところ、ジャヴェルの見透かすような目つきなど、キャラクターによる様々な顔が見られました。
上で書いたシーンと結構かぶっているので、そんなに多くありませんが、箇条書きで簡単に。

・トロミエスに捨てられたと分かったときの、ファンティーヌの引きつった笑顔。周りの女の子がはしゃいでいるのと対照的です。
・ミリエル司教とバティスティーヌの、優しい表情
・ジャヴェル登場シーンの、怖く重々しい顔。目元の陰影が効果的で、彼の性格がすぐに分かります。
・くどいようですが、荷馬車の一連のシーン。あと、家で燭台を前にミリエル司教に語りかけるマドレーヌさんの顔。
・ファンティーヌの歯のない笑顔。つらい。つらすぎる。彼女が絶望していく様子は、マルグリットさんとの会話を用いることで、自然な流れになっています。

あと、新井先生のおまけ漫画も毎巻の楽しみですが、最後のにらみ合うジャン・ヴァルジャンとジャヴェルの顔が面白かったです。今の聖人ジャンなら絶対こんな顔しないので笑

<総評>

今回も大満足でした!
お話は暗いし、読んでいてつらい場面も多いですが、でも読めて幸せです。
トロミエスの友人内の評価や愛と知に関する自説、他の女の子たちの描写や、サヴォアの少年とか、原作では長々と書かれていたところが必要十分な分だけさりげなく盛り込んであって、流れが自然で読みやすいと感じました。
表情は相変わらず丁寧で、心に直接響きます。
新井先生が担当してくださってよかったなと、毎回毎回思います。

2巻の聖人ジャンを読んだあとだと、また1巻の獣ジャンを読み返したくなったりします。
本当に、本当に改心したんだなあ。ミリエル司教も喜んでいることでしょう。

まずはストーリーを楽しみ、次に細かな部分までゆっくりと読み、原作の小説を読み返して、また新井先生の漫画版を味わう、という感じで読んでいます。
余談ですが、一番最近の映画版レミゼを観ました。ミュージカルのやつです。
エポニーヌが可哀想。

3巻はどれくらい話が進むのでしょうか。可哀想なコゼットの話になるのかな?もっと速く進んだりするのかな。
いずれにせよ、次巻が待ち遠しいです。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
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